茨城県南のとある町に、捨て犬・野良猫の世話を続けていらっしゃるご夫妻がいます。
庭にはワンコ。
家には保護した猫がのんびりと暮しています。
ご自宅は閑静な住宅地のはずれにあるため、裏には緑ゆたかな丘陵地帯が広がり、
猫たちは避妊去勢を済ませ、家の内と外を行ったり来たりの毎日です。
奥様はフランス人です。ベルギーに近い北フランスのご出身だそうです。
大使館勤務時代にアルジェリアで日本人のご主人と運命の出会いをされたあと、
数十年間の東京都心での生活を経て、緑を求めてここ茨城県へ転居されました。
東京での暮らしのなかにも、常に猫がいたそうです。
買うのでなくて、保護した猫ばかり。
同居のおばあちゃま(義理のお母様)も、最初は猫嫌いだったのに
そのうちすっかり猫狂いされ、最後は大変な可愛いがりようだったそうです。
2人のお子さんは成人され、お一人はパリへと生活の拠点を移されて、
ご家族と猫2匹とリュクサンブール公園の近くに暮らしています。
今回の捕獲&手術も、毎年決まって11月にフランスへ帰省される奥様のご帰国を待って、
数ヶ月前から計画していたものです。
「パリはどの家にも猫がいるわ、みんな猫好きよ、でも野良猫はいないの。
避妊去勢は当たり前になっているからね。
1度だけ出産させて、そのあと不妊させることが多いと思うわ。」
でも、アニーさんが小さいとき、それこそ不妊手術が一般的でなかったときに、
生まれた子猫はどうしていたのですか?
「だいたい、おなかのなかにいるあいだに、貰い手を探すの。
そして、余計に生まれてしまったら、それこそすぐに。。。辛いけど、そこの家のお父さんの仕事だったわ。
昔はフランスでもそうだったのよ。」
夏に捕獲のお手伝いをして、避妊を済ませた野良猫のカラミテです。
食欲も旺盛で、とても元気にしていました。
子猫たちはすっかり大きくなって、避妊去勢の必要な6~7カ月を迎えていました。
お約束の前夜に、アニーさんが中心となって子猫を捕獲。
手にはひっかき傷がついて、腫れてしまいましたね。
でも、あと1匹、捕まらなかったすばしっこいのがいます。
今回は子猫3匹を連れて病院へ。なんと3匹とも雌猫で、
放っておいたら増えて増えて大変なことになっていました。
手術を待つあいだに、お買いもの。
フランス人のアニーさんにとって、日本のチーズやジャムやワインはどうなんだろう?
お勧めなのは何だろう?と、いろいろ質問。
お気に入りのいちごジャムは、意外なことにアヲハ●でした。
納豆は召し上がらないそうです。
アニーさんお気に入りのフランス・ワインやシャンパン。
ご主人様からお手紙を頂きました。
お蔭様で今後”家なき子誕生”を憂うことが無くなりまして一安心です。
三匹の仔猫は元気でして、今も庭先で家族揃って夕食中です。
再度開腹手術されないよう念の為添付のチラシを近所に撒いておきました。
それと私の名前を出しておくことで、外猫達が虐められないように、との想いもあります。
NPO活動で益々ご多忙になると思いますが、ご自愛下さい。
******
ご近所の皆さんへ 平成21年12月9日
前略
添付のチラシ(8月20日付)でご案内のとおりですが, 昨8日4匹の仔猫のうち3匹(全部雌)に避妊手術を行いました。 残りの1匹も捕獲することが出来次第不妊手術を受けさせる所存ですので, 差し当たり, この地域では, 妊娠可能な“捨てられて野良とされた猫”は居ないことになります。
草々
●●●町 ○-×-△
○○ ○○
写:○○市役所生活環境課
ここまできっちりとやってこその、TNR。
ただ「ニューターしてリリースして、あとはどうなっても知りません」ではない、次の
ステップ。
「この猫はもう増えません、責任もって世話をしている人間がいます、手を出さないで!」
の意思表示、周囲の住民、行政への報告。
この丁寧なプロセスは、猫を取り巻く状況を変えていくための草の根運動そのものです。
その根は太く、深く、なかなか抜けることがないと思います。
私たちが「日本捨猫防止会」からNPO法人「県民ネットワーク」へと移行しつつあること、
国境を越えて内外の愛護団体とつながり、世界へ向けて情報発信をしていけるようで
ありたいと願っていること、
そのためにも外国の方のご協力を得たいとお話しますと、ご夫妻とも快諾してくださいました。
今後は、ご主人は賛助会員として、奥様は顧問として会に貢献下さることとなります。
またまた強力なメンバーが加わりました。
2009年12月15日
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