つくば市は緑あふれる自治体です。
市の中心部にも、池や沼を抱え込んだ広大な公園や緑多い研究所がいくつもあります。
公園通り(遊歩道)が街の中心を南北に貫いています。
そこには捨てられた猫たち、新たに生まれた猫たちが多く生息しています。
つくば市は環境保護をうたいながらも、交通手段をマイカーに依存する車社会です。
つくば市には片側2~3車線の大通りが沢山あります。
西大通り、東大通り、北大通り、南大通り、中央通り、土浦学園線、408号線...
つくば市マップを見ればわかりますが、そうした大通りが街の中心部を縦横にカットしています。
まるで串刺しです。
公園のすぐ向こうはトラックやバスの行き来する大通りです。
そんなこと公園に暮らす猫さんは感知しません。
親とはぐれた仔猫たち、あるいは喧嘩で勢いをつけたオス猫たちが、大通りに飛び出していきます。
大通りで猫がつぶれている光景に何度出くわしたことでしょう。
この状況が問題にされることなく、放置され続けてきたことが不思議でなりません。
これを目にする子どもたちの心。
これを目にする大人たちの心だって傷まないわけはありません。
悲しまずにすむように、だんだんと心を動かさなくなるでしょう。
「あ、またか」と大して気にもとめずに立ち去るようになる。
「猫1匹の命なんて」「ありがちな光景だ」
この積み重ねがかけがえのない命の軽視につながっていくのではないでしょうか。
「大通りの近くに暮らすのはもういやです」
「猫の死骸を見ることが多すぎます」
こんな市民の声が案外少なくないことを、果たしてどれだけの方がご存じでしょうか。
夏の夜。
店の看板の照明にとまる蝉を捕まえようと、一生懸命ジャンプする小さな黒猫を見かけた
じゃみさん。
翌日になって周囲の人に尋ねてみて、大通り脇の排水溝のなかに隠れて暮らす、野良猫の親子の存在を知るに至りました。
「ここではいつか車に轢かれてしまうだろう」
じゃみさんは、やはりこの子を気にかけてずっと世話をしていた方といっしょに小さな黒猫を保護しました。
続いて母猫も捕獲、避妊。その姉妹猫も捕獲、避妊。
たった数日のうちに、一気に猫の家族を悲境から救いあげたのです。
車の下でつぶれるために生まれてくる猫をなくしていく=避妊去勢の推進。
大通りで目にしなければならないはずの猫の亡骸が、これで大分減ったことは、だれも知りません。
個人の努力による小さな一歩が、周囲を変え、行政を変え、大きな流れにつながっていくことを願うばかりです。
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