2009年8月25日
電話相談の事例から
電話相談が入りました。
「家の野良猫を保護し避妊させたいのですが、どうにも捕まりません」
捕獲器を持参してお隣りのM市へ向かいました。
閑静な住宅街。
塀から顔を出すワンちゃん。
日本ではあまり見かけない、背の高い夏の花が咲き乱れる庭を進むと、
にこやかなご婦人が出迎えてくださいました。
日本に嫁がれてから数十年、もちろん日本語が堪能な女性ですが
書斎から出てこられた白髪の老紳士とは母国語でお話されています。
ゆったりとした余裕のある会話のリズム、居間の向こうに見える緑濃い(野趣あふれる)庭、
冷たいコーヒーにたっぷりしたミルク、と異国に迷い込んだような気持ちです。
長年、奥様とともに捨て犬や野良猫を保護し育ててこられたそう。
歴代の猫ちゃんの写真を見せていただくうちにも、野良猫たちが三々五々庭を訪れます。
結局、日のあるうちに捕獲はできませんでしたが、夜になって
待望の母猫が捕まったとの連絡を頂きました。
翌日には獣医さんのもとへ運び、無事に避妊手術を済ませたとのご報告。
でもまだ仔猫たちが残っています。
妊娠可能の6か月になるころに、また捕まえて避妊させてあげたいと、このご夫妻は捕獲器の
購入を希望されています。
このおふたりが、やがてはM市の保護活動のキーパーソンになるのではないでしょうか。
<後日談>
手術しっぱなしではありません。このご主人は、ご近所の方へ、そして行政へ向けての
フォローも忘れてはいらっしゃいませんでした。
(下記のお手紙をご覧ください。)
このような方が、人を育て、獣医師の意識に何らかの変化をもたらし、地域を育てていくのではないでしょうか。
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ご近所の皆さんへ 平成21年8月●日
前略
数匹の“捨てられた猫”(メス一匹とオス三匹)が, この辺りを徘徊しておりますが、 餌付けの甲斐あって,この度 そのメス猫の捕獲に成功し、昨日●●●動物病院にて 不妊手術を受けさせました。
そのメス猫には、四匹の仔【いずれも生後約三ヶ月】がおりますが, いずれ 折を見て、主にメス仔猫を選び、 それらに不妊手術を行い、この地域の“捨てられた猫” の数が, これ以上増えないように致したいものだと、考えております。
草々
●● ●●より
写し:●●市役所生活環境課
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