2009年8月7日
生物学者になれるかもしれないロムルスとレムス
この子たちは、ある駐車場の倉庫で三毛猫が生んだ仔猫です。
2ヶ月くらい。ちょっとおどおどしています。
現場の方のお話ですと、「可愛いけれど、触れない。ごはんをあげたら来るんだけどね」。
だんだん人に慣らそうと、ねこじゃらしのおもちゃで遊んだり、抱き上げたりしていたところです。
ワクチンをすませて、ある程度慣らしてから里親さんをみつけようと考えていました。が、ほかの猫を見にいらしたご家族が、この子たちを兄弟で引き取ってもいいとおっしゃったのです。
「私たちは人間を好きな猫より、猫を好きな猫を希望します」
のお言葉に、はっと胸を打たれました。
先住猫ちゃんがいるので、相性は気になりますが、その場で連れ帰ってお試し飼いをしてくださることになり、それから正式に「もらいうけます」との丁寧なお便りが届きました。
なんという懐の深さでしょう。
通常であれば、人慣れしていない猫を引き受ける勇気は生まれません。
猫の習性を熟知していらっしゃるということもありますが、このご家族が特別に生物の命を大切に思われるご家族であるのにはわけがあります。
遺伝子生物学の分野でご活躍される研究者のご主人様は、市内の大学で教鞭をとっておられます。
「命を扱う私たちが、命を軽んじていいはずはない」
という一貫したお考えでいらっしゃるのです。
大学のキャンパスで子を生み続け、哀れな生を送る野良猫たちに胸を痛める研究者や職員の方が、実は複数いらっしゃって、独自に捕獲し避妊去勢ワクチンを施していらっしゃるという事実を、私たちはこれまで存じませんでした。
先だって、世界規模の学会を企画運営され、お疲れのところ奥様とお嬢様とで見にきてくださいました。奥様もまた学者さんです。とっても知的な、あったかい、素晴らしい家族を得たロムルスとレムスはラッキーボーイです。お名前が決まったそうで、白黒がヤコブ君、トラ猫がバルトロマイ君となりました。(先住猫ちゃんたちは、ヨハネとペテロだそうです。イエスの十二使徒ですね、素敵です。が、まだまだ増えてもよさそうな...?)
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