お 知 ら せ



2010年6月6日、CAPINブログは引っ越しました。


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変わらぬご支援をお願い致します。







3月市議会に提出した「つくば市独自の動物愛護行政を導入する請願」は継続審議となり、
閉会中の5月24日の環境経済常任委員会での審議を経て
6月18日市議会(本会議)で趣旨採択となりました。

皆様の温かいご支援とご署名のご協力に支えられてここまで参りました。
心より感謝申し上げます。



★6月市議会・市長宛てに提出した署名を合わせた集計結果です★



【総計:14,698 筆】



内訳つくば市:3,228 つくば市以外の茨城県:4,057 茨城県以外の国内:7,388 海外:25 (このうちのネット署名:944)





皆様、ご協力ご支援、誠にありがとうございました。会員一同、心より感謝申し上げます。m(_ _)m 





2009年10月7日

市長への要望書

以下、6月16日付で提出した、つくば市長に対する要望書です。
同じ文面で、つくば市議会議長宛てに「つくば市の動物愛護政策に関する陳情書」も提出しております。
私たち日本捨猫防止会の会員有志も、要望者・陳情者である「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク」に参加しております。



*******************


 

平成21年6月16


 

つくば市長    市原 健一 様


 


 


 


 

つくば市の動物愛護政策に関する要望書


 


 


 


 


 


 


 


 


 

日々のご政務たいへんご苦労様でございます。私たち、動物愛護を考える茨城県民ネットワークは、全国の動物愛護団体と連携しつつ、茨城県動物行政の改善を求めて活動することを目指し結成されました。また、当ネットワークのなかに、つくば市在住のメンバーによって「つくば市民の会」が立ち上がりました。

本日は、つくば市の更なる動物行政の推進を願い、下記の5項目の業務改善をお考えいただけるよう、「つくば市民の会」代表として、ここに要望書を提出いたします。


 

要望趣旨

  1. 現在の犬猫をはじめとする愛護動物の収容施設は、生き物の保管場所として適切であるとは考えられないため、動物愛護管理法に明記してある「動物の習性に配慮し、苦痛を与えない」ような保管場所に変えるよう早急な改善を求めます。
  2. 来年、開庁される新庁舎に、動物愛護管理法に明記してある「動物の習性に配慮し、苦痛を与えない」ような「構造」「仕組み」を備えた動物収容場所の設置を求めます。

3、殺処分される犬猫の数をできる限り減らし、飼い主への返還率を上げるため、つくば市のホームページで収容犬猫の写真と保護状況を紹介することにより、迷子犬猫を探す飼い主にインターネット上で情報提供することを求めます。

4、飼い主のいない猫への避妊・去勢手術助成金制度を作るよう求めます。

5、つくば市は、環境行政・動物行政を独自に展開しうる特例市であります。特例市つくばとして、「飼う」「捨てる」「引き取る」「殺処分する(一部は譲渡)」の前時代的な動物行政の転換を図り、茨城県動物指導センターへつくば市から送られる犬猫を1匹でも減らすために効果的な施策を導入するよう求めます。具体的には、犬猫の飼育放棄防止対策に効果的な事業導入、里親希望者登録制の導入です。


 

上記5項目に関しまして、文書でご回答いただけるよう要望いたします


 

要望理由

以下、要望の趣旨に掲げた要望事項第1項~第5項のそれぞれについて、要望の内容を少し敷衍して述べた後、その理由を述べます。


 

1、要望事項第1項について

現在、犬猫をはじめとする愛護動物の収容施設として茎崎庁舎倉庫が使用されていますが、生き物の保管場所として適切であるとは考えられないため、①あかりが入る、②排泄場所から逃れて体を休める床、③休日(短期、長期)の給餌給水、清掃など、④夏の暑さ冬の寒さからの苦痛軽減、⑤犬の散歩、など、動物愛護管理法に明記してある「動物の習性に配慮し、苦痛を与えない」(後掲の注を参照)ような保管場所に変えるよう、早急な改善を求めます。


 

〈理由〉:

つくば市役所環境課の動物収容施設は茎崎庁舎駐車場の奥に建設された大きな車庫兼倉庫の片隅です(添付資料1~4)。倉庫の中には、さまざまな物が置かれ、ダンボール箱が山のように積み重ねられ、その左奥に、老朽化し錆びついた犬猫のケージが積み重ねられています。鳴き声がもれるといけないから、人目につくとまずいからと、日中はシャッターを降ろしたままです。シャッターを降ろすと暗闇で、採光はいっさいありません。夏場はシャッターの下を少しだけ開けるといいますが、これでは風も十分に通りません。光も風も届かぬ倉庫は、生き物を収容するのに相応しくありません。

捨てられ、あるいは徘徊していたところを保護された犬、市民により持ち込まれた猫、市民の苦情により市役所職員が捕獲し連れてこられた猫が、茨城県動物指導センターの回収車が来る金曜日まで、あるいは月に1度の定時定点回収場所(桜庁舎体育館前駐車場)、牛久市・取手市・阿見町等近隣の定時定点回収場所に職員が連れていく日まで、長くて1週間を、この倉庫で過ごしています。冬季や夏季に、もちろん冷暖房もなく、シャッター1枚で外気と接触する過酷なこの環境で、犬猫が衰弱しないわけはありません。収容される犬猫に苦痛を与えないような環境に保管するのが、動物愛護の法律に則ったやりかたのはずです。

各市町村で回収された犬猫は、すべて茨城県動物指導センター(笠間)に収容され、そこで里親譲渡されないほとんどの犬猫は殺処分されることになります。ところが、笠間に収容される以前の段階で、すでに衰弱(ときには死亡)している犬猫がいます(添付資料5、6)。

茎崎庁舎の現場で働く職員に聞き取り調査をしたところ、離乳前の猫は死亡することがある、との回答でした。また、この倉庫にはネズミが住み着いており、ペットフードは置いておけないという話でした。仔猫はかじられてしまうこともありえるのではないでしょうか。

現在、茨城県動物指導センターにおいても、動物愛護推進員らが市町村から回収されてセンターに運び込まれた犬猫のうち、状態のよいものを保護して殺処分の運命から救いあげ、里親譲渡の道を開いております。なるべく健康な状態でセンターに運ばれることが、犬猫が生存する機会を得るための第一条件ともなっています。市役所での保管環境が犬猫の命運を左右することになります。このようなことからも、市役所での動物の扱いを早急に改善する必要があります。

市民にも、他の課の職員たちにも知らされないまま、この保管態勢が長年にわたって継続してきたことに、驚愕と悲しみを覚える次第です。じきに真夏を迎えようとしている現在、保管態勢の再検討を早急に行う必要があります。

新庁舎開庁までの1年弱は、茎崎庁舎の空き室に場所をとることも十分可能であると思います。環境課の会議室はかなり広いので、この一角に収容することも代替案としてご検討ください。

「せめて日中は陽のあたるところ、外の空気が吸えるところにケージごと出してほしい」と話しても、「人目があるから」と拒否されました。周辺は農村地帯であり、民家はまばらです。はたして周辺住民から実際に鳴き声についてのクレームの声があったのでしょうか。倉庫のなかに犬猫を入れて、真冬・真夏・昼夜を問わずに基本的にシャッターを閉めてしまうのは、犬の鳴き声がもれないように、との配慮というよりも、処分される運命の不要な犬猫(=存在自体がタブーである)を人目につかないようひっそりと保管するためではないでしょうか。違法性が問われかねないこうした保管のあり方に早急に再検討を求め、文書での回答を要望いたします。


 

注:<家庭動物等の飼養及び保管に関する基準>

平成19年11月12日 環境省 告示 第104号 第3 共通基準 (3)に「所有者等は、適正な飼養および保管に必要な時は、家庭動物等の種類、生態、習性及び生理を考慮した飼養および保管のための施設を設けること。使用施設の設置に当たっては、適切な日照、通風等の確保を図り、施設内における適切な温度や湿度の維持等、適切な飼育環境を確保するとともに、適切な衛生状態の維持に配慮すること。」


 

2、要望事項第2項について

来年、開庁される新庁舎に、動物愛護管理法に明記してある「動物の習性に配慮し、苦痛を与えない」ような「構造」「仕組み」を備えた犬猫収容場所の設置を求めます。

具体的には、①あかりを入れるためにガラスブロックや窓を採用する、②部屋に収容する場合は排泄場所から逃れて体を休める床(スノコ)を入れる、ケージに収容する場合は動物の大きさにみあった適切なサイズのケージを使用し、トイレシートや猫砂の取り換えなど、排泄の処理を行う、③休日(短期、長期)の給餌給水、清掃などを適切に行う、④夏の暑さ冬の寒さからの苦痛軽減のための空調を設置し、且つ換気扇を取り付ける、⑤犬については毎日の散歩を行う、⑥犬と猫の収容場所を分離する、ということになります。


 

〈理由〉:

市役所に集められた犬猫のほとんどは、不幸な運命を負っています。たとえ、茨城県動物指導センターに送るまでの数日間~1週間に限り、一時的に預かる施設であろうとも、健康を損ねさせる灼熱地獄・凍死寸前の酷寒地獄のような過酷な環境に犬猫を押し込めるのではなく、採光と換気と一定の空調、そして何より衛生面に留意した「収容施設」であるべきです。

また、犬のケージと猫のケージを一緒に重ねること、近くに置くことは、猫や仔犬に恐怖感を抱かせます。出来る限り恐怖を与えないように配慮された「犬猫舎」であるべきであり、これは動物愛護法を守る上でも必要不可欠です。


 

<他自治体の試み>

実際に、富山市など他の自治体では、市庁舎改修の際に、市民からの要望を受けて、ガラスブロックを入れ、大型換気扇と冷暖房エアコンを設置するなど、施設環境改善を行った実例が多くあります。改築に至った経緯(ピレネー犬の死など)に関する資料を添付いたします(添付資料7、8)。富山市(中核市)の施設は「殺処分はしないが1週間ほど犬猫を収容する」そうで、つくば市(特例市)と業務内容・保管日数が共通しています。犬舎は3部屋、猫舎は1部屋あり、24時間一定の温度を保つ空調設備と大型換気扇を備えています。

また、犬猫の習性に配慮した施設の建設例として、船橋市動物愛護指導センターのパンフレットを提出いたします(添付資料9 )。船橋市のセンターは、これからの動物行政の見本として全国的に注目されている施設を有します。つまり、愛護動物を処分するよりも、生かすための努力をしている施設なのです。迷い犬猫を飼い主に返還する努力、あるいは里親を見つける努力がなされており、しつけ教室など講習会を通して広く市民に動物愛護を呼び掛ける啓発活動、マイクロチップ普及を推進する活動を手掛けている施設です。この施設が建設されてから、里親譲渡数は2倍以上に伸びています(添付資料10)。

センター主事のお話では「収容施設を作ることによって、犬猫を譲渡するチャンスを得られた。殺処分数を減らすにはまず犬猫を置いておける場所を確保することが必要だ」とのことです。猫舎の2段ケージは1万~2万円で購入できます(添付資料11 )。これがとりあえず3つもあれば十分です。犬舎に置かれたケージは、上下連なったタイプの頑丈なケージでした。動物病院でも使用されているもので、1520万円と高額ですが耐久性に優れます。これを横並びに連結させ、仕切りを取って大型犬を収容することもできます(添付資料12 協力:かつらぎ動物病院)。とはいえ、犬をこのケージに入れたままにするのではありません。犬舎の掃き出し窓を開ければ、直接コンクリート敷きの屋外スペースに出られるようになっており、日光浴もできれば外気も吸えるし里親希望者とフェンスごしに対面できる、そんな開放的なスペースが作られています(添付資料13 )。すぐ隣の県でこうした進んだ動物行政の試みが行われているのは注目に値します。

その他、茨城県動物愛護指導センターの保護犬舎(500万ほどで建設されたそうです)の写真を添付資料として提出いたします(添付資料14 写真提供:ALIVE茨城)。


 

<つくば市への聞き取り>

64日、環境課に動物の処遇を訪ねたところ、新庁舎においても現状と変わらない管理を行う予定であるとの返答がありました。環境課として、1日から1週間にわたり収容する動物を留め置くための専用スペースを新たに確保するお考えはとくに今のところないし、計画もないとの返答です。私どもが4月に倉庫を見学したとき、動物の収容状況を知って、これは生き物を保管する場所ではないし、光も風もあたらない場所に入れておくのは動物愛護法の虐待にあたるのではないか、と口頭で申し上げました。その後、この倉庫には以前からネズミが出ていることもわかりました。それなのに、保管状況を改善しようというお考えはまったく出ていないそうで大変驚いております。新庁舎になっても、今と同様に、倉庫の中に入れるしかないのではないかとのお考えなのです。

ところが、肝心の新庁舎倉庫の間取りや設計を調べることもされていませんし、環境課として申し入れもされていません。収容動物の処遇については後回しにされていて、環境行政に携わるべき環境課としての前向きな対策がなされているとは思えません。

遡りますが、62日、新庁舎建設室及び管財課へ問い合わせ、倉庫の建設について伺ったところ、新庁舎の西に位置する防災スペースに、緑道に沿って倉庫が建てられる予定であることがわかりました(添付資料15)。プレハブではあるが電気と水道が配備される予定です。この倉庫の一角に、エアコンと換気扇と水道のついた犬猫収容場所を付けることは不可能ではないのではないかと思い至りました。


 

<提案>

そこで、私どもがない知恵を絞って考えたプランを提出いたします(添付資料16)。


 

 具体的には、

  • 倉庫の端に犬猫収容のスペースを設ける。
  • 犬猫収容のスペースは、環境課割り当ての倉庫と内部ドアで通じるようにする。
  • 犬舎と猫舎を分離する。
  • 犬舎・猫舎それぞれにエアコンと換気扇と流し場を設置する。
  • 掃き出し窓にし、屋外スペースに出入りができるようにする。
  • 屋外スペースは床にコンクリートを流し、清掃が楽になるよう配慮する。
  • 周辺をフェンスで囲む。
  • 雨天時も犬が屋外スペースに出られるよう、また、日当たりも確保できるよう、屋外スペースには透明の波板トタン屋根を付ける(船橋市動物愛護管理指導センターでは実現しなかったが、実際に屋根があったほうがよかったとアドバイスくださいました)。


 

以上、ひとつの案としてお考えいただければと思います。


 

 新庁舎に動物行政の窓口である環境課が移るのである以上、担当職員の精神上・体力上の負担を軽減するためにも、管理の観点からも、犬猫収容施設は新庁舎の敷地に設置されるべきでしょう。新庁舎から離れた場所に犬猫施設を建設したとしても、そこに通う職員の労苦は並大抵ではないでしょうし、ボランティアが世話に通うことや里親希望者が見学に行くことも困難になります。新庁舎の敷地に、動物収容場所が作られることに意味があるのです。

 
 


 

3、要望事項第3項について

殺処分される犬猫の数をできる限り減らし、飼い主への返還率を上げるため、つくば市のホームページで収容犬猫の写真と保護状況を紹介することにより、迷子犬猫を探す飼い主にインターネット上で情報提供することを求めます。

〈理由〉:

茨城県の犬の返還率は極めて低く、平成18年度の統計では全国でもワーストワンとなっております(添付資料1718 )。この汚名を晴らすため、茨城県だけでなく県下の各市町村も、収容犬猫を飼い主の元へ戻すために尽力すべきです。他の自治体では市役所の公式サイトから保護犬猫の情報を得ることができるところもかなり多く見られます。


 

4、要望事項第4項について

飼い主のいない猫への避妊・去勢手術助成金制度を作るよう求めます。


 

〈理由〉:

人間による安易な遺棄を原因とする、捨て猫・野良猫の頭数増加、それに伴う苦情、殺処分があとを絶ちません(添付資料19,20)。東京都新宿区を初め、全国の多くの自治体では、猫の飼育には不妊手術が必要不可欠であることの意識を促す目的と、引取りや捨て猫の85%が子猫であるという現実を踏まえて、不妊手術費用の一部を助成しています(添付資料21)。つくば市では、飼い主のいる犬猫への去勢・避妊手術助成金制度は始まりましたが、飼い主のいない猫の不妊手術に取り組もうという人の為にも、「手術費用助成制度」が是非とも必要であろうと考えます。現実は、殺処分のために多大な税金が使われていますが、これは法の精神にも反していることになります。21世紀は、殺す命を未然に防ぐためにこそ税金を投入すべきと考えます。

つくば市の野良猫対策は、私たち「つくば市民の会」ほか、個人ボランティアたちが自費で細々と実施しております。市内の公園や映画館・ゴルフ場などの遊楽施設の駐車場に、いまだ数十頭を超える野良猫・捨て猫が住み着いており、とても個人で解決できる規模ではありません。それでも、寄付金やバザーでお金を工面しながら時間の許す限り、猫を保護して避妊・去勢手術を行っているのが現状です。野良猫対策をそうした民間の活動に任せるだけでは、猫をめぐる苦情はなくなりませんし殺処分は減りません。「のら猫を生み出さない社会づくり」のための効果的な具体策として、「飼い主のいない猫への避妊・去勢手術助成金制度」の設置を前向きにご検討下さい(添付資料22 )。

野良猫の去勢・不妊手術に援助をしぶる行政の言い訳として、飼い主のあるなしがわからない猫に対し勝手に避妊去勢をするわけにはいかない、との言い分が聞かれますが、それでは増える野良猫対策、殺処分を減らすための対策は他に何があるというのでしょうか。繁殖力の強い猫の習性をふまえた対策として、不妊手術が頭数管理のために最も有効な手段であり、先進国で広く推進されているのは周知の事実でありますし、動物に関わる業務に携わる人にとっての常識であり、世界の流れであります。参考文献を添付資料23として提出いたします。

先進的な自治体では「飼い主のいない猫」という表現を実際にしております。もし、飼い主がいるかいないかで疑義がある場合は、条例化によって解決するという方法も考えられます。


 

  1. 要望事項第5項について

つくば市は、環境行政・動物行政を独自に展開しうる特例市であります。特例市つくばとして、「飼う」「捨てる」「引き取る」「殺処分する(一部は譲渡)」の前時代的な動物行政の転換を図り、茨城県動物指導センターへつくば市から送られる犬猫を1匹でも減らすために効果的な施策を導入するよう求めます。具体的には、犬猫の飼育放棄防止対策に効果的な事業導入、里親希望者登録制の導入です。


 

〈理由〉:

平成18年度の茨城県の犬の引き取り頭数は3,064頭にのぼります。都道府県別集計によると、広島・福岡に次いでワースト3。要望事項第3項で述べたとおり、犬の返還率(捕獲頭数に対する返還頭数)もわずか1.6%にすぎず、茨城県は全国ワースト・ワンの不名誉です。猫の引き取り頭数は4,578匹で、全国で20番目に多い県です。このうち8割以上が仔猫です。つくば市では統計上、226匹(定時定点回収で犬63/111匹、市役所窓口引き取りで犬41/10匹、有料引き取り犬1匹)が引き取られ、189匹が捕獲されています(添付資料17 )。

私たちは、私たちの町、つくば市から茨城県動物指導センターに殺処分のために送られる犬猫を1匹でも減らしていきたいと願っております。ペットブームの今こそ、「飼い始めの慎重さ及び責任をもった終生飼養を求める」ことに重点を移すべきと考えます。動物を飼うことの「責任の重さ」に対する認識不足、ペットに対する「知識」不足が「衝動飼い」となり、「途中飼育放棄」という結果になってしまうものと考え

ます。今後、行政に求められることは、「無責任な飼い主のための後始末」ではなく「責任ある飼い主の育成」であり「犬猫の飼育放棄防止対策」のはずです。改正動物愛護法では、動物の飼主の責任がより明確に示されています。飼主には「死ぬまで飼う」「適正に飼う」「不妊手術の必要性」を繰り返し広報してください。また、引取りを依頼する人には、考え直して最後まで飼う努力をするよう説得して下さい。どうしても飼えない事情がある人には、新しい飼主探しなどをサポートし、可能な限り、殺処分を回避するよう努めてください。そのための効果的な施策導入をご検討下さい。

また、飼えなくなった犬猫を市民から安易に引き取る慣習も動物愛護の基本精神に反します。本来なら、犬猫を捨てに来る市民を説得し、終生飼養を啓発し、里親を見つけるなど、処分以外の方法を伝える努力がなされるべきです。市役所ホームページに、「やむを得ない事情で,どうしても飼えなくなった犬・猫の引き取り…は,茨城県動物指導センターでおこなっています」との記載は、安易な処分の助長につながります。持ち込まれた犬猫を安易に引き取らない、という行政の姿勢で、殺処分数を画期的に減らせることのできた実例として、 ここに熊本市の取り組みを添付資料24  として提出します。

また、里親希望者を登録制にし、里親希望者に飼育方法を講習し、犬猫との相性を確認するためのスペースを設けるなどの犬猫譲渡促進に効果的な事業導入を検討するよう求めます。

特に、つくば市は水戸市と並び、環境行政を独自に展開する権限を有する特例市であります。動物行政は環境行政に含まれますから、動物愛護に関連する政策は、つくば市ならではの取り組みが推進されてしかるべきなのです。インターネットを利用しての保護犬猫の周知、市民への里親譲渡の道を開くための里親希望者登録制度の導入及び犬猫収容期間の延長、避妊・去勢の重要性を説くことやマイクロチップ推進などの啓発活動、しつけ教室開催、子どもを対象にした動物愛護教育など、特例市が取り組めるものは多々あります。

環境省は、2017年度までに殺処分される犬猫の半減をめざして犬猫収容施設の拡充へ動き出しております。都道府県や市町村が収容施設を新築・改修する際に、同省の定める条件を満たせば、費用の半額補助を決定し、2009年度で1億円の事業費を計上しております。その条件とは、冷暖房や給排水設備を整え、里親譲渡のためのスペースを設けること、収容期間を従来の2倍の2週間に延長すること等です(添付資料2 )。環境省に問い合わせたところ、今年度は中核市以上の規模の自治体が交付の対象となり、特例市であるつくば市は申請対象外となるもようですが、来年度にはまた問い合わせてほしいとの回答を頂きました。将来的に、環境省の事業に参画することを視野に入れながら、また、殺処分を減らそうと試みる動物愛護行政の流れに沿った形で、つくば市としても独自に施設拡充を目指すべきと考えます。

私たち、動物愛護団体や、そして動物を愛する市民個人が、どんなに動物のために頑張っていても、行政の担当部署の方々に、動物愛護高揚についての"熱意"と"情熱"がなければ、「動物愛護文化」の広がりは期待できません。愛護動物の遺棄、繁殖、徘徊、屎尿問題、交通事故、殺処分等の動物愛護問題は、広く環境問題と密接につながっております。特例市は環境保全行政にかかわる権限を県から委譲されています。自然環境,都市環境,知的環境が調和する「つくばスタイル」の実現を目指すつくば市であるからこそ、これにふさわしい動物愛護政策導入に常に前向きに取り組むべきだと考えます。

私たち動物を愛するつくば市民は行政の担当部署の方々の動物愛護高揚への積極的な取り組みによって「動物愛護文化」が地域に広がっていくことを強く願っていますし、協力を惜しまないものです。


 

添付資料

1~4  茎崎庁舎倉庫の写真。右端のシャッターを開けた左手にオリやケージがある。

5 定時定点回収場所につくば市役所から職員により持ち込まれた仔猫の写真。

(写真提供:ALIVE茨城)

6 茨城県の定時定点回収場所に持ち込まれ回収される猫の写真。この日、たくさんの猫を入れた同じようなケージが幾つも回収トラックに積み込まれた。

(写真提供:ALIVE茨城)

7「本気で取り組んでほしい 動物保護行政 ピレネー犬の死」村田美南子著

「ウィズ あにまるず」北日本動物福祉協会だより抜粋(1994年)

8 「ピレネー犬の死が訴えるもの」村田美南子著「ウィズ あにまるず」

北日本動物福祉協会だより抜粋

9 船橋市動物愛護指導センターのパンフレット

10 船橋市動物愛護指導センターの資料

11 船橋市動物愛護指導センターの猫舎の写真

12 船橋市動物愛護指導センターの犬舎の写真、

かつらぎ動物病院の犬ケージの写真(協力:かつらぎ動物病院)

13 船橋市動物愛護指導センターの全景、多目的ホールおよび屋外スペースの写真

14 茨城県動物愛護指導センターの保護犬舎の写真   (写真提供:ALIVE茨城)

15 つくば市新庁舎の概要 (外構計画図、外観イメージ図含む)

16 手書きの素人プラン

17 「捨て犬の日」アエラ20094月号~茨城県の動物行政についての記事~

「茨城県動物愛護推進計画=人と動物が共生する地域社会の実現をめざして=

                    p.3540 平成203月 茨城県

18 中日新聞2009510日「変わる動物行政」

19『デイズジャパン』(20086月号)記事のコピー

20茨城県動物指導センターにて、炭酸ガスで殺処分された焼却直前の仔猫たちの写真。肺機能の成熟していない仔猫・仔犬は窒息死に至るまでの時間が長くかかり、決して安楽死とはいえない処分法である。一日も早く注射器による安楽死の実施が待たれる。目指すべき目標が殺処分ゼロであることは言うまでもない。(写真提供:ALIVE茨城)

21「猫と共生する街~ちよだニャンとなる会~会報」no.7(2007年)p.6 

                    不妊去勢手術助成の実施状況  

22 地域猫の取り組みについての各種資料:

「ウィズ あにまるず」北日本動物福祉協会だより抜粋

「ご存知ですか?飼い主のいない猫対策」啓発チラシ 東京都福祉保健局

チラシ:すみだ地域猫の会、北日本動物福祉協会ほか

23 "Cat Care and Control"日本語訳 

WSPA(World Society for Protection of Animals)

24「猫のために何ができるのだろうか~処分する猫を減らす

『熊本市動物愛護センター』の取り組み~」ねこのきもち 2009年 6月号

「動物法ニュース」 日本セラピードッグネットワーク 抜粋

25「犬猫収容施設拡充へ 環境省」2009127日付の日本経済新聞の記事


 

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